製造間接費・部門別計算会員向け10:35

部門別計算:補助部門費を製造部門へ配る

部門個別費と部門共通費を整理し、補助部門費を製造部門へ配り切る流れを確認します。直接配賦法、階梯式配賦法、相互配賦法の位置づけを押さえながら、第4問の部門別表・配賦表を完成するための見方を学びます。特に、修繕部・動力部から二つの製造部門へ配賦する場面を通じて、配賦順序、基準の選び方、表の検算方法を整理します。

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この講で分かるようになること

補助部門費を最終的に製造部門へ集める目的を理解し、指定された配賦法で表を完成できる。

  • 部門個別費と部門共通費を区別できる。
  • 直接配賦法と階梯式配賦法の計算順を説明できる。
  • 複数基準配賦で適切な基準を選べる。

前提知識

  • 製造間接費の予定配賦、比率計算。

要点

  1. 補助部門は製品を直接作らないが、製造部門を支えるため、その費用は最終的に製造部門へ集める。
  2. 部門費を集める、第一次配賦、第二次配賦の順序を崩さない。
  3. 配賦方法が変わると製造部門の負担額が変わる。
  4. 表の列と行が何を表すかを最初に固定してから計算する。

判断のルール

  • 部門個別費は該当部門へ直接集計し、部門共通費は適切な基準で第一次配賦する。
  • 補助部門費の第二次配賦では、指定された配賦法と配賦順序に従う。
  • 階梯式配賦法では、配賦を終えた補助部門へ金額を戻さない。
  • 最終的に補助部門の残高はゼロ、製造部門にのみ金額が残る形にする。

例題

例題1階梯式配賦法で修繕部から先に配る

ある工場の配賦前額は、製造部門A 80,000円、製造部門B 70,000円、修繕部 30,000円、動力部 20,000円である。第二次配賦は階梯式配賦法で、修繕部→動力部の順に行う。修繕部の配賦基準は修繕時間で、A 40時間、B 20時間、動力部 20時間。動力部の配賦基準は電力量で、A 300、B 100とする。第二次配賦後の各部門金額を求めよ。

答え(修繕部をA・B・動力部へ配賦)借方:製造部門A 15,000、製造部門B 7,500、動力部 7,500/貸方:修繕部 30,000 (動力部をA・Bへ配賦)借方:製造部門A 20,625、製造部門B 6,875/貸方:動力部 27,500

考え方まず配賦前額を確認すると、修繕部30,000円、動力部20,000円が補助部門費です。階梯式配賦法で修繕部から先に配るので、修繕部はA・B・動力部へ40:20:20で配賦します。合計80時間なので、A 15,000円、B 7,500円、動力部 7,500円です。次に動力部は、自部門の当初20,000円に修繕部から受けた7,500円を加えた27,500円を持っています。すでに配賦済みの修繕部へは戻さないため、A・Bだけに300:100で配ります。合計400なので、A 20,625円、B 6,875円です。結果として、Aは80,000+15,000+20,625で115,625円、Bは70,000+7,500+6,875で84,375円、補助部門は両方ゼロになります。

確かめ修繕部の配賦額合計は15,000+7,500+7,500=30,000円、動力部の配賦額合計は20,625+6,875=27,500円で一致する。最終合計は115,625+84,375=200,000円で、配賦前総額80,000+70,000+30,000+20,000=200,000円と一致する。

例題2直接配賦法で補助部門同士を考えない

配賦前額は、製造部門A 90,000円、製造部門B 60,000円、修繕部 24,000円、動力部 16,000円である。第二次配賦は直接配賦法とする。修繕部はA 30時間、B 10時間に配賦し、動力部はA 120、B 80の電力量に配賦する。第二次配賦後の製造部門金額を求めよ。

答え(修繕部をA・Bへ直接配賦)借方:製造部門A 18,000、製造部門B 6,000/貸方:修繕部 24,000 (動力部をA・Bへ直接配賦)借方:製造部門A 9,600、製造部門B 6,400/貸方:動力部 16,000

考え方直接配賦法では、補助部門同士のやり取りを考えず、各補助部門の費用を製造部門へだけ配ります。したがって、修繕部24,000円はA・Bに30:10で配賦します。合計40時間なので、A 18,000円、B 6,000円です。動力部16,000円はA・Bに120:80で配賦します。合計200なので、A 9,600円、B 6,400円です。補助部門へは一切配らない点が階梯式配賦法との違いです。最終的にAは90,000+18,000+9,600で117,600円、Bは60,000+6,000+6,400で72,400円になります。

確かめ修繕部配賦額は18,000+6,000=24,000円、動力部配賦額は9,600+6,400=16,000円でそれぞれ元の金額と一致する。最終合計117,600+72,400=190,000円は、配賦前総額90,000+60,000+24,000+16,000=190,000円と一致する。

例題3第一次配賦を含めて階梯式配賦へつなげる

部門個別費は、製造部門A 50,000円、製造部門B 40,000円、修繕部 12,000円、動力部 8,000円である。工場保険料20,000円は部門共通費で、面積基準によりA 4、B 3、修繕部 2、動力部 1で第一次配賦する。次に第二次配賦は階梯式配賦法で、修繕部→動力部の順に行う。修繕部はA 5、B 3、動力部 2の作業時間、動力部はA 6、B 4の電力量で配賦する。最終的な製造部門金額を求めよ。

答え(工場保険料を第一次配賦)借方:製造部門A 8,000、製造部門B 6,000、修繕部 4,000、動力部 2,000/貸方:工場保険料 20,000 (修繕部をA・B・動力部へ配賦)借方:製造部門A 8,000、製造部門B 4,800、動力部 3,200/貸方:修繕部 16,000 (動力部をA・Bへ配賦)借方:製造部門A 7,920、製造部門B 5,280/貸方:動力部 13,200

考え方まず第一次配賦を行います。保険料20,000円を面積比4:3:2:1で配るので、A 8,000円、B 6,000円、修繕部 4,000円、動力部 2,000円です。これで配賦前額はA 58,000円、B 46,000円、修繕部 16,000円、動力部 10,000円になります。次に第二次配賦で、修繕部16,000円を5:3:2でA・B・動力部へ配ります。合計10なので、A 8,000円、B 4,800円、動力部 3,200円です。動力部は当初10,000円に3,200円が加わり13,200円となります。最後に階梯式配賦法のため、動力部13,200円をA・Bへ6:4で配ります。A 7,920円、B 5,280円です。よって最終的な製造部門金額は、A 58,000+8,000+7,920で73,920円、B 46,000+4,800+5,280で56,080円です。

確かめ第一次配賦20,000円、修繕部配賦16,000円、動力部配賦13,200円はいずれも配る前の金額と一致する。最終合計73,920+56,080=130,000円で、全体総額50,000+40,000+12,000+8,000+20,000=130,000円と一致する。補助部門残高もゼロである。

よくある間違い

補助部門費を製品へ直接配賦してしまい、製造部門を経由しない。

階梯式配賦法で、すでに配賦を終えた補助部門へ再び金額を配ってしまう。

配賦基準の分母を配賦対象の合計にせず、一部だけで割ってしまう。

直接配賦法と階梯式配賦法を混同し、補助部門相互の扱いを誤る。

この講の用語

製造部門せいぞうぶもん
製品の加工や組立など、製品を直接作る部門。第二次配賦後は補助部門費を含んだ金額がここに残る。
補助部門ほじょぶもん
修繕部や動力部のように、製造部門を支援する部門。自部門の費用は最終的に製造部門へ配賦される。
第一次配賦だいいちじはいふ
部門共通費を各部門へ配る段階。部門個別費の直接集計とあわせて、各部門の配賦前額を確定させる。
第二次配賦だいにじはいふ
補助部門に集まった費用を製造部門へ、または方法に応じて他部門へ配る段階。最終的に補助部門残高をなくす。
階梯式配賦法かいていしきはいふほう
補助部門に順序をつけて配賦し、先に配賦を終えた部門へは後から金額を戻さない方法。

章立て

  1. 0:00導入この講の到達目標と、問題文を読む出発点を確認します。
  2. 0:21中心概念2級の部門費集計と補助部門費の製造部門への配賦を扱う。
  3. 1:12重要用語製造部門、補助部門、第一次配賦、第二次配賦、階梯式配賦法
  4. 2:01基本ルール部門個別費は該当部門へ直接集計し、部門共通費は適切な基準で第一次配賦する。 補助部門費の第二次配賦では、指定された配賦法と配賦順序に従う。 階梯式配賦法では、配賦を終えた補助部門へ金額を戻さない。 最終的に補助部門の残高はゼロ、製造部門にのみ金額が残る形にする。
  5. 2:37判断手順取引事実または計算条件を確認し、使う勘定科目・計算順序・検算の順に進みます。
  6. 3:18確認ケース1ある工場の配賦前額は、製造部門A 80,000円、製造部門B 70,000円、修繕部 30,000円、動力部 20,000円である。第二次配賦は階梯式配賦法で、修繕部→動力部の順に行う。修繕部の配賦基準は修繕時間で、A 40時間、B 20時間、動力部 20時間。動力部の配賦基準は電力量で、A 300、B 100とする。第二次配賦後の各部門金額を求めよ。
  7. 3:52確認ケース2配賦前額は、製造部門A 90,000円、製造部門B 60,000円、修繕部 24,000円、動力部 16,000円である。第二次配賦は直接配賦法とする。修繕部はA 30時間、B 10時間に配賦し、動力部はA 120、B 80の電力量に配賦する。第二次配賦後の製造部門金額を求めよ。
  8. 5:44確認ケース3部門個別費は、製造部門A 50,000円、製造部門B 40,000円、修繕部 12,000円、動力部 8,000円である。工場保険料20,000円は部門共通費で、面積基準によりA 4、B 3、修繕部 2、動力部 1で第一次配賦する。次に第二次配賦は階梯式配賦法で、修繕部→動力部の順に行う。修繕部はA 5、B 3、動力部 2の作業時間、動力部はA 6、B 4の電力量で配賦する。最終的な製造部門金額を求めよ。
  9. 7:20よくある誤り補助部門費を製品へ直接配賦してしまい、製造部門を経由しない。 階梯式配賦法で、すでに配賦を終えた補助部門へ再び金額を配ってしまう。 配賦基準の分母を配賦対象の合計にせず、一部だけで割ってしまう。 直接配賦法と階梯式配賦法を混同し、補助部門相互の扱いを誤る。
  10. 9:42まとめ部門別計算では、まず部門個別費と部門共通費を整理して各部門の費用を集計し、その後に補助部門費を製造部門へ配り切ります。重要なのは、配賦の順序、指定された配賦法、そして配賦基準の分母を正しく押さえることです。特に階梯式配賦法では、順番どおりに処理し、配賦済みの補助部門へ戻さない点を確実に守りましょう。最後に補助部門残高がゼロになり、製造部門にのみ金額が残っていれば、表の形として整っています。
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